あなたにとっての、大切な「場所」は、どんな場所でしょうか。
そこに行くと、あの日のことを不意に思い出したり、
ここに来ると、なぜか良いことが起きそうな気がしたり。
気づくのは少し遅くなることもあるけれど、
そういう場所は、特別な場所ではなく、
案外、日常のすぐそばにあるものなのかもしれません。
そんな日常の中の、ある場所で、
私はドラムと出会うきっかけをもらいました。
そしてその場所は、数年後、
さらに深い意味を持つ、大切な場所へと変わっていきました。
寒い冬の午後。
営業車を走らせながら、何気なく流していた地元のFMラジオから、
一曲の冬の歌が流れてきました。
「なんだか、可愛い曲だな」
何度も耳にしたことがあるはずの曲でしたが、
その時は不思議と、心に引っかかりました。
ちょうどその瞬間、目の前の信号機が赤に変わり、
私は思わず、手元にあったレシートの裏に、
DJさんが紹介した曲名とアーティスト名をなぐり書きしました。
その信号機があったのが、
小さな街の「マックのある交差点」でした。
後日、そのなぐり書きをしたレシートを握りしめて、
CDショップへ足を運んだことが、
「ドラムをやってみたい」という思いへと、つながっていきます。
もし、いつものように曲を聴き流していたら。
もし、あのタイミングで信号機が赤に変わらなかったら。
私は、ドラムをやりたいとは思わなかったかもしれません。
何年経っても、その交差点を通るたびに、
そんなことを、ふと考えてしまいます。
そして、この「マックのある交差点」にまつわる出会いは、
ドラムだけにとどまりませんでした。
あの日から四年後。
息子と出会ってくれた可愛いお嫁さんは、
偶然にも、この交差点のすぐそばで生まれ育った娘さんでした。
「ポテトの美味しそうな匂いの誘惑に負けて、
ついマックに寄っちゃうんです」と、
屈託なく笑って話す彼女。
その笑顔はやがて、
我が家に新しい命を運んできてくれた、
かけがえのない存在になりました。
偶然がいくつか重なると、
人はそこに、運命を感じるものです。
それが自分の人生に長く関わることであれば、きっとその偶然は神様からのギフト。
「マックのある交差点」は、
私にとっての運命の場所であり、
小さな奇跡をいくつも運んでくれた場所。
勝手にそう感じながら、
私はここから、自分のセカンドビートのストーリーを始めています。