ブランドストーリー

居場所を失った日。それでも私はドラムをやめなかった

「いつか絶対に見返したい」

心の奥に、そんな感情をひっそり抱いたまま生きている。

あなたには、そんな相手はいますか?

私はいます。
今日は、その人の話と、少し恥ずかしい私自身の話を書こうと思います。


50歳でドラムを始めてから、リモートでのバンド活動を経験しました。
画面越しに音を合わせる時間は楽しく、同時に「いつかリアルでバンドがやりたい」という想いを、静かに育てる時間でもありました。

でも、地元には一緒にバンドをやってくれる知り合いはいません。
手が届かないと思うほど、その世界は眩しく見えました。

気づけば
「やりたい」は「やらなきゃ」に変わり、
私は自分の実力を冷静に測る前に、バンドを探し始めていました。

今なら、あの頃の自分にこう言いたいです。

「あなた、知らない人とバンドを組めるほど、まだ上手くないよ」って。


ある日、ジモティーで見つけた
「バンドを立ち上げたい」という女性の募集。

恐る恐る応募し、
「バンド未経験ですが大丈夫でしょうか?」と尋ねた私に、
その方はこう返してくれました。

「私もベースですけど、誇れるほどの技術はないです。
みんなで一緒に上手くなっていきましょう」

その言葉に、どれほど救われたか分かりません。

初めての練習は、同世代の女性が中心で、終始穏やかな空気でした。
練習後にはお茶をしながら、これからのことを話しました。

「勇気を出して応募して良かった」
「これから頑張ろう」

心から、そう思っていました。


数日後、その女性からLINEが届きました。

「〇〇さん、良い方で残念だけど、
ちょっとバンドのドラマーは難しいと思います。
人前でやっていくバンドを目指しているので」

理由は、とてもシンプルでした。

―― 私は、下手だった。

7年間ドラムを続けてきた中でも、
間違いなく上位に入る黒歴史です。

情けなさと悔しさはありました。
でも、不思議なことに
「もうドラムはやめよう」とは、思わなかったのです。


それなら。

「一緒に上手くなっていきましょう」と言われる側ではなく、
自分がそう言える人たちと出会えばいい。

諦めの悪い私は、
その後もドラムを叩き続けました。

そして数年後、
本当の意味で
一緒に成長できる仲間と出会います。

技術の差よりも、
続ける意志を大切にできる人たち。

今の私にとって、かけがえのない存在です。


あの時、私をバンドから外した人たちが、
今もこの街のどこかで活動しているのかは分かりません。

ただ、

「逃した魚は大きかった」

そう思ってもらえるようなドラマーになることが、
今の私の、密かなモチベーションのひとつです。

少し偉そうかもしれませんね。
でも、正直な気持ちです。


うまくいく前に、否定された経験がある人へ。

MIRAKANA Preludeは、
そんな記憶を持つ人が、
もう一度、自分のリズムを取り戻すための場所でありたいと思っています。

ここでは、
できなかった過去も、
遠回りした時間も、
否定されることはありません。

あなたのペースで、
あなたの音を、
もう一度、奏で直していくために。

その最初の一歩を、
ここに置いていってください。